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中島かえる
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 嘘をつけない性格というのも考えものである。

 それというのも、京極真という男が、正直で不器用な性格であるのは周知の事実であるので、恋人である園子にも思わぬ弊害が巡ってきたりするのである。

「そういえば友人たちが、園子さんに会ってみたいと言っています」
「わたしに? なんで?」
 喫茶店で向かい合って座りながら雑談中。
 京極の思わぬ発言に、園子はちょっときょとんとする。
 彼氏の友達に恋人として紹介してもらうのは普通嬉しいものだが、
京極の性格からしてそういうことをしそうにない上に、 「友人が会ってみたいと言っている」 というのが、何か、引っかかったのだ。
「真さん、わたしのこと、何か言ったの・・・?」
「彼女が出来たのか、と問われたので、『そうだ』 と答えました」
 生真面目に答える京極に、ちょっと頬が緩む園子。
「どんな人か、というので 『私には勿体無いとても綺麗な人だ』 と答えたら、会ってみたいと・・・」
「え」
 緩んだ顔で頬に両手を添えながら、園子は固まった。
「・・・真さん、そんな風に言っちゃったんだ・・・?」
「あ、はい」
 何故か京極は照れくさそうに頭を掻いていた。

 嘘はつかない男、それが京極真。
 それを知っている友人の皆さんの期待はいかばかりだろうか。
 そのプレッシャーに園子の血の気は急激に下がっていった。

 自分を綺麗だと臆面もなく言ってくれるのは勿論嬉しいことだし、女冥利に尽きるとはこのことだろう。
 園子だって、京極のためにいつも自分を磨く努力は惜しまないが、「綺麗な人」という言葉は能天気に喜べないほど重かったりする。
 果たして友人の皆さんが自分を「綺麗な人」だと感じてくれるのか?
 断言してもいい、答えは否。
 好みもあるだろうが、自分はどっちかというと 「元気で明るい」「今風なカワイイ」 タイプに分類されることを園子はよぉく知っていた。
 「綺麗な人」 というイメージは自分には、ない。
 実際会って、目の前でガッカリされるのはさすがの園子様でも凹んでしまう。
 なんと言ったらいいものか、と園子が眉根を寄せて考えていると、京極はその気配を察したのか、
「・・・会いたくありませんよね。 わかりました。 断ります」
 少し嬉しそうにそう言ったので、園子はあせってまとまらないままの言葉を口にした。
「え、じゃなくて、じゃなくて! 会いたくないんじゃなくて、あんまり期待されすぎてて会うの恥ずかしいなって思っただけだから!」
「・・・期待されすぎとは?」
「だからー、綺麗とか言われちゃうとー、準備とか大変じゃない、色々と! 私も照れちゃうし、真さんもっとケンソンして欲しいなって」
「・・・綺麗なものを、綺麗、と言って何が悪いんです」
 京極はあからさまに気分を害したように園子の言葉をさえぎった。
 むっつりと口をへの字に曲げ、真っ直ぐ自分を見据える眼光に園子はびくりと身体を震わせた。
 どうしてそんなに機嫌が悪くなるのかわからない。
「わ、悪いとかじゃなくて、もう少し手加減してほしいっていうか・・・」
「意味がわかりません」
 園子にもこの微妙な女心は言葉にするのが難しい。
 それを京極に判れというのが無理なのか。
 混乱しすぎて、園子の中に急激にどうでもいいという気持ちが湧き上がり、ついでになんだか腹が立ってしまった。
「じゃあ、もういい。 もう、会わない」
 少しつっけんどんにそう言うと、京極は驚いた顔で目を何度か瞬いた。
「・・・友人に、ですよね?」
「そうだけど。 会えないって言っといてくれる?」
「わかりました!」
 ほっとしたような顔でうなづく京極の様子を不審に思い、園子は疑問を口にした。
「真さん、もしかして本当はわたしをみんなに紹介したくなかったんじゃないの?」
 虚を衝かれたように京極の動きが止まる。
「やっぱり。 わたしのこと見せたくないなら、変なこと言わなきゃいいじゃない!」
 かあっと頭に血が上って怒鳴りつけると、京極はバツが悪そうながらも毅然とした態度で、
「見せたくないわけじゃありません」
ときっぱり言い放った。
「友人とはいえ、男に会わせたくなかっただけです」
 観念したように告白した京極の顔を見て、園子の頭に上った血は一瞬で下がってしまった。
「じゃ、じゃあ、適当に見せるほどじゃないとか言って断ればよかったのに・・・」
「そんな嘘はつけませんから」
「あ・・・そう」
 京極は京極なりの信念において、友人の手前引けなくなったのだろう。
 それで園子が断ってくれるのを期待していたのだ。
 嘘をつかない男を彼氏に持つのは苦労するな・・・と園子は心の中でため息をついた。
 けれど、そこまで自分を綺麗だと言ってくれる京極のために、何か応えてあげたいと思うのも事実だ。
「わたし、写真撮るから、それみんなに見せてくれる?」
 ちょっと背伸びして、出来るだけ演出して 「綺麗」 に見せた写真を撮ろう。
 そして、もう一枚・・・、
「真さんも一緒に写ってくれるでしょ?」
「あ・・・はい」
 二人で笑って幸せそうに写っていれば、それが一番キレイかもしれない、と園子は素直に思った。

 

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